本堂
本堂

本堂

屋根は本瓦葺き、大棟・降り棟・隅棟の端にいずれも「まんじ」の鬼瓦、鳥衾。軒の丸瓦も同じ文様。軒は二重繋垂木、蛇腹支輪。向拝蟇股に獅子、木鼻に精巧な獏。さらに妻の側の飾り、とくに懸魚、大瓶束、虹梁のあたりの美しさを鑑賞したい。この本堂は文政十年(1827年)の再建。

内部は外陣、内陣の境を設けず3間に3間を1室に取り放し、床は檜板敷き(現在一部畳敷)天井は折上げ格天井とし、その格間に粉彩色の花の意匠画を入れる。
この正方形の一室は修行道場に使われていたもので、他の密教寺院の本堂とは内部構造を異なっている。この広間の奥正面に2本の金箔押し来迎柱その奥に黒漆塗りの方柱を2本たてて来迎壁を造り壁に沿って唐様の須弥檀据え、宮殿型の厨子を置いている、又この区画の天井には2躯の飛天が彩色さ彩色は大阪の仏師、堀尾五左衛門の彩色画となっている。

その後方に内廊を通し、さらに背面に突出して位牌堂を設けている。


━━━━━━━━━  本堂に祀る仏  ━━━━━━━━━

中央須弥檀


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中央須弥檀には、彩色されたきらびやかな宮殿造りの厨子があり、そのなかに、本尊聖観音(秘仏)がまつられている。
この聖観音は、脇に不動明王、愛染明王を従えています。

厨子の上には空殿(飛天女)が描かれている。江戸時代に20両で作成。

開扉は住職一代に一度30年前に一度開扉されている。

本尊聖観音

本尊。伝聖徳太子の作。秘仏、りっぱな宮殿作りの厨子に。
聖観音は、聖観自在尊また正観世音ともいう。六観音あるいは七観音のひとつ。諸観音の根元になっているので特に聖観音という。

不動明王

不動明王は悪魔を下し、仏道に導きがたいものを畏怖せしめ、煩悩を打ちくだく。菩提心の揺がないことから不動という。

愛染明王

愛欲の煩悩がそのまま悟りにつながることを示す明王

摩担利神

摩担利神(まだらじん)という。特に天台宗で崇める。常行三昧堂の守護神、念仏の守護神にまつられる。


右祭壇

弘法大師

児島八十八ヵ所第三十一番の本尊。弘法大師(774〜835年)は真言宗の開祖。八〇四年唐に渡り学ぶ。翌々年帰国。東寺(教王護国寺)を真言道場とし、八一六年高野山に金剛峰寺を開き真言宗を広めた。書は三筆の一人。

左祭壇


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大黒天

この大黒天はインドのもの。白い象の背中に負う。大黒天はインドではシバ神の化神で戦いの神、財福の神、閣魔とおなじであるなどさまざまに信じられている。中国では厨房の神にまつられた。日本では伝教大師が初めて比叡山にこの神(三面大黒)をまつり、後世に七福神の一つとなる。また大国主命と混同され恵比須とともに民間に信仰された。

(中央に白い象を背負い8名の賢族を従い1名の女人)珍品

毘沙門天

像は安阿弥(快慶)作という。毘沙門天は須弥山に住み、夜叉を率いて北方を守護する神。七福神の一人。


持仏堂

阿弥陀如来

古仏 。光背は直立 阿弥陀如来は、修行中に 衆生救済の願いを立て、今は成仏し西方の極楽浄土で教化しているとする仏。

大日如来

小さい厨子入り。真言の教えを代表する。如来の慈悲は陰ひなたなく遍くてらし衆生の及ぶとする。胎蔵界の大日如来は慈悲を強調し、金剛界の大日如来は智慧を強調したものといわれる。

薬師如来

多聞寺の本尊か。薬師如来は衆生の病気を治し、安楽を得される仏。仏教の伝来以後、治病の仏として広く信仰された。

千手観音

児島百番観音西国十番の本尊。千手観音は限りない慈悲を表す菩薩で、千の慈悲の眼と手を備え、生あるものを救うという。